中国メディアは何を報じているか

2014年10月31日

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佐々木智弘 (ささき・のりひろ)

防衛大学校人文社会科学群国際関係学科准教授

1994年慶應義塾大学大学院前期博士課程修了。日本貿易振興機構アジア経済研究所東アジア研究グループ長を経て、2014年2月から現職。共著に『習近平政権の中国』(アジア経済研究所)、『現代中国政治外交の原点』(慶應義塾大学出版会)。

 これについては、10月24日付『人民日報』に掲載された18期4中全会関連の社説でも次のように言及している。

「党の指導の堅持、人民が主人公、依法治国の有機的統一が、わが国の社会主義法治建設の基本経験であり、わが国の法治と西側のいわゆる『憲政』との根本的違いである」

 「決定」は、「依法治国」の全面的推進を掲げ、憲法重視の姿勢を示した。また中国共産党の指導の正当性が、憲法によって保証されていることを強調した。さらに「法治」を強調することにより三権分立など西側の政治制度導入の声が高まることも警戒した。

異例の中央規律検査委員会全体会議の開催

 18期4中全会終了直後の10月25日、中国共産党第18期中央規律委員会(中規委)第4回全体会議が開かれた。

 中規委全体会議は通常1月に開かれるため、10月開催は異例のことである。1月の会議には中央政治局常務委員全員が出席し、前年の中規委の活動報告が行われ、総書記が重要講話を行う。しかし、第4回全体会議を報じた10月26日付『人民日報』によれば、出席した常務委員は中規委書記の王岐山だけである。そのほか通常と異なり、「コミュニケ」が発表されていない、「中規委常務委員会が司会した」とわざわざ言及されている。そして、第4回全体会議の主要任務を次のように説明している。

「18期4中全会精神を真剣に学習、貫徹し、規律検査・監察系統が18期4中全会の精神実現のための任務の手配を進め、党風クリーン政治建設と反腐敗闘争の進展を深めることを進め、依法治国の全面的推進のために強固で有力な保証を提供する」

 第4回全体会議は18期4中全会精神の周知徹底が目的である。同様の目的で政治権力機構である国務院、全国人民代表大会、中国人民政治協商会議全国委員会の各党グループも会議を開いたことはすでに『人民日報』でも報じられている。党グループの会議ならば出席者も少なくさほど大げさな会議にはならない。しかし中規委が委員123人を招集してわざわざ全体会議を開くことには制度的に見て違和感がある。

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