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2014年10月31日

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佐々木智弘 (ささき・のりひろ)

防衛大学校人文社会科学群国際関係学科准教授

1994年慶應義塾大学大学院前期博士課程修了。日本貿易振興機構アジア経済研究所東アジア研究グループ長を経て、2014年2月から現職。共著に『習近平政権の中国』(アジア経済研究所)、『現代中国政治外交の原点』(慶應義塾大学出版会)。

中規委全体会議の主張

 異例の会議を伝えた10月26日付『人民日報』の記事は、18期4中全会の「決定」が伝えなかった党内の問題などに言及しており興味深い。その内容は以下のとおりである。

「党員幹部、特に指導幹部は党の政治規律と政治規則を厳守し、『党中央との高いレベルでの認識の一致』を実際の行動に変えなければならない。党内は不法活動をするグループ、徒党を組む、利益を送り出すことを絶対に認めない。自分勝手に行動し、表向きは服従するように見せかけ、裏では反対することを絶対に認めない。政治規律の執行状況に対する監督検査を強化し、上に政策があれば、下に対策ありの行為、命令があっても実行しない、禁止があっても止めない行為を断固取り調べて処置し、党の集中統一を断固守る」

「現在の党風クリーン政治建設と反腐敗闘争の情勢は依然として厳しく複雑である。『四風』(形式主義、官僚主義、享楽主義、贅沢の風潮)の病根はいまだ取り除かれていないので、反発防止任務は極めて困難である。腐敗を懲罰する高圧的な態勢下で、依然として一部の党員幹部が自制しない、手を引かない、輪をかけて悪くなることすらある。われわれは終始冷静に意識をはっきりさせ、政治定力を維持し、自信と決心を揺るぎないものにしなければならない」

 党の政治規律、政治規則の遵守における問題点を列挙し、さらにこれまでの非常に厳しかった反「四風」と反腐敗闘争に対し深刻な抵抗や反発があることを率直に認めている。

抵抗・反発勢力の存在

 18期4中全会で掲げられた「依法治国」の全面的推進は、システムの変更や締め付け強化により既得権益のさらなる縮小を余儀なくされることは容易に想像がつく。政治信任を高めたい習近平政権にとってはそれがねらいである。

 先述の中規委全体会議で言及された党内の問題をもう一度列挙しておこう。

・不法活動をするグループ、徒党を組む、利益を送り出すこと
・自分勝手に行動し、表向きは服従するように見せかけ、裏では反対すること
・上に政策があれば、下に対策ありの行為
・命令があっても実行しない、禁止があっても止めない行為
・「四風」の病根はいまだ取り除かれていないので、反発がある
・腐敗を懲罰する高圧的な態勢下で、依然として一部の党員幹部が自制しない、手を引かない、輪をかけて悪くなることすらある

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