2022年9月28日(水)

地域再生のキーワード

2014年12月1日

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磯山友幸 (いそやま・ともゆき)

ジャーナリスト

千葉商科大学教授(4月から)。1987年日本経済新聞社に入社。フランクフルト支局長、「日経ビジネス」副編集長などを務め、11年に独立。著書に『2022年、働き方はこうなる』(PHPビジネス新書)など。

屋敷林の中の竹林

 幸田さんは、住民と商業者と行政が一体になって地域再生を目指すNPO法人「地域情報支援ネット」を立ち上げ、理事長を務めている。東大阪の宝である屋敷林を残そうと活動しているうちに、中甚兵衛に出会った。実は川中邸が庄屋だった中甚兵衛の生家だったのだ。

 地域の子どもたちに地元の偉人を知ってもらうにはどうしたらよいか。漫画が良いだろうというアイデアはすぐ浮かんだが、出版となると一大事。地域の人たちに次々と声をかけた。

 編集委員長には石上敏・大阪商業大学教授が就き、時代考証なども担当した。漫画は大阪在住のイラストレーター、智多ともさんが請け負ったが、江戸時代の服装から持ち物まで描くのは初めて。何度も描き直しを繰り返した。もちろん、屋敷林を守ってきた川中熈子さん知子さん母娘も毎回、編集会議に加わり、中甚兵衛の伝承を形に変えていった。

編集メンバーの皆さん

 問題は漫画本を製作する資金だった。自治体に支援してもらおうにも、中甚兵衛に関係する自治体は膨大で、ひとつの自治体や教育委員会では完結しない。何せ「河内」と呼ばれた地域にすっぽり入る市だけでも16あり、大阪市や堺市の一部も含まれるのだ。

 そこで発想を転換して広く有志の人々に資金提供を呼びかけることにした。今はやりのクラウド・ファンディングだ。クラウド・ファンディングを運営するREADYFORを利用して、中甚兵衛の漫画本プロジェクトへの協力を求めたのだ。

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