2022年10月6日(木)

地域再生のキーワード

2014年12月1日

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磯山友幸 (いそやま・ともゆき)

ジャーナリスト

千葉商科大学教授(4月から)。1987年日本経済新聞社に入社。フランクフルト支局長、「日経ビジネス」副編集長などを務め、11年に独立。著書に『2022年、働き方はこうなる』(PHPビジネス新書)など。

中から見た川中邸

 自治体の縦割りの観光振興ではなく、地元の有志が連携して、河内の宝を再発掘し、磨きをかけ、世界に売り出していく。そんな大きな「野望」を抱いている。

 さらに、地域おこしを全国のさまざまな地域とつなげていこうという考えもある。

【Data】 大阪府東大阪市
人口:50万4098
世帯数:22万991
主な産業:工場数が6546と、全国5位の多さとなっている一方で、工場密度は126.5と全国1位。20人未満の小規模工場が9割を占めるが、高い技術力を持つことで知られる。

 「どの地域にも郷土の偉人はいる。それを知っているか知らないかで、自らが育った地域を見る目が変わるはずだ」と編集委員長を務めた石上さんは言う。河内観光局が音頭を取って、全国の治水偉人のネットワークを作ってはどうか、そんなアイデアも浮上している。

 実は、郷土の偉人でネットワークを作ろうという試みはすでにある。07年に愛知県東海市が呼びかけ全国の自治体とスタートさせた「嚶鳴(おうめい)フォーラム」だ。東海市の郷土の偉人である細井平洲が江戸に開いた「嚶鳴館」から名前を取った。

 細井平洲は、名君で知られる米沢藩主上杉鷹山の師だった人物だ。メンバーは現在14自治体で、兵庫県養父市(儒学者・池田草庵)、愛知県田原市(蘭学者・渡辺崋山ほか)、大分県竹田市(作曲家・瀧廉太郎ほか)などが加わっている。来年1月には農政家・二宮尊徳を生んだ神奈川県小田原市でフォーラムを開く予定だ。

 こうした自治体が中心となった活動は重要だ。だが、それに加えて、河内のような現場からの地域おこしが全国に広がっていくことが、本物の地域再生につながるだろう。

 郷土の偉人伝シリーズの2号目が誰になるのか。屋敷林での会議が再び熱を帯びている。

(写真・生津勝隆)

  
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◆Wedge2014年11月号

 

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