米AEIのマッザ研究員が、National Interest誌ウェブサイトに10月6日付で掲載された論説で、オバマ政権は香港の「雨傘革命」に対して、もっと踏み込んだ具体策をとるべきである、と述べています。
すなわち、2011年の豪議会における演説で、オバマ大統領は、アジア回帰の三つの柱は、「全ての者にとっての、安全、繁栄、尊厳」である、と言った。それは、長年の米国の外交政策と一致している。1992年の「米香港政策法」は、民主化の支持は米外交政策の根本原則であり、香港住民の人権は、米国にとって大変重要である、としている。
しかし、オバマ政権のこれまでの拙劣な対応は、香港の民主化という大原則の追求に、ほとんど役に立っていない。
最初の公式声明は、9月29日に、米領事館のプレスリリースとして発せられたが、それは、香港の基本法による自由の保障を支持する一方、米国は香港の政治問題につき特定の立場をとらない、としていた。
オバマ政権は、直ちに、トーンを修正した。アーネスト報道官は、普通選挙による行政長官の選択という基本法の最終目標が達成され、香港住民が自分たちの意思を真に代表する候補者を選挙によって選ぶことが出来れば、行政長官の正当性は大いに高まるであろう、と言った。
デモの目的への支持を表明したことは結構だが、まだ問題がある。ホワイトハウスは、外野から応援する以上のことは、何も言っていない。そういうことでは、中国の自制を求めることはできない。
確かに、米国は、真の民主主義の実現を強いる力をほとんど持っていないであろうが、中国政府が抗議者たちとのにらみ合いをエスカレートさせるのを防ぎつつ妥協を促すことはできる。
オバマ大統領は、王毅外相に「米国は香港情勢を注視している」と言ったが、中国の姿勢を変えさせるには、もっと強硬な姿勢が必要であろう。香港当局や中国当局がより強圧的なやり方をする場合は、習近平との首脳会談をキャンセルし、米中間の軍事交流を中止し、二国間投資協定の交渉を止め、中国の独占禁止法違反への報復措置を検討し、新疆における人権侵害についての国際的調査を求めるべきである。
それでもなお中国が香港への対応を変えようとしないならば、中華社会における強力な民主主義の象徴でもある馬英九総統の招待を直ちに検討する用意がある、と宣言すべきである。