アルバイト雇用のリスク管理は新たな局面に
筆者は以前、求人広告代理店に勤務しアルバイト雇用の現場に数多く携わってきた。都心部を中心に、求人に対する応募者の大半が外国人であるという現実にも多く直面した。東京都の有効求人倍率は1.61倍(平成26年9月、厚生労働省発表)。人材採用難が大々的に伝えられている中で、外国人採用を積極的に行う企業は増加している。人口減少社会にあって、シニア活用や女性活用の波も続く。アルバイトスタッフが働く現場とその構成員は、今後も否応なくグローバル化し、多様化していくだろう。
それは同時に、ソーシャルメディアによる監視の目が張り巡らされた社会での、新たなリスク管理の必要性を意味している。故意のあるなしにかかわらず、消費者の目に映る軽はずみな一場面や一言が、「許されざるヘイトスピーチ」「許されざるハラスメント」として炎上するリスクを伴う。それは職場内においても同様だ。多様な属性をもつ人々との関わりの中で、私たち自身の行動もリスク要因となっている可能性がある。モスバーガーの事案は、それに対する警鐘であると言えないだろうか。
現在のネット社会において、企業イメージを損ねるために要する時間は、たったの1日なのだ。
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