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「今は、利尻の礼文島の天然昆布を、話を訊きに行って納得した福井の問屋さんからとっています。鰹節は、枯れ節だけでは物足りなくて、血合いを抜いた荒節も使います。そして僅かに鹿児島の洗双糖も加える。僕は、かえしは最低2週間は寝かせます」
訊けば訊くほど、素材へのこだわりが半端ではない。たとえば、鴨南蛮のところに“西崎さんの放し飼いの無農薬飼育の鴨”とある。
「茨城県の『西崎ファーム』というんですが、僕、農場をとにかく見せてもらおうと会いにいったのですが、最初は暗くなるまで3時間、お話を伺って終わり。2度めもお話を伺ううちに暗くなってきた……というほど熱心な方で(笑)。やっぱり脂の質が違う、吸収がいいというんでしょうか。」
よく見ると、肉ハーフ200円引き、とある。「お肉が苦手でも味見したいなという方に少し安く出したくて」。ふっくらおいしい玉子焼きは、相模原の平飼いの有精卵を作る『イノウエ・エッグファーム』。これまた原価が高そうだ。
夜は、小さな黒板に、その日のお薦め酒の肴が並ぶ。オリジナルの人気の肴は、サバの燻製 330円。チーズのかえし漬け 330円もクリーミーな舌触りでお酒がすすむ。静岡のわさび農家に教わったわさび味噌は230円。
それらをほんの少しづつ盛り合わせ、もり蕎麦、四季桜(五勺)がセットで、お得な蕎麦屋酒セット 1700円もある。
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これもよく読むと、もりを二種の利きそばにしたり、酒も自由に選べる。
「僕は一人でそば屋に行くのが好きだったんですが、案外とボリュームが多くて肴をいろいろ頼めなかった。それでボリュームを抑え、ちょっとづつ味見できるセットを考えたんです」