2024年11月22日(金)

ロングセラーの秘訣

2014年12月10日

ファンと共同開発した「森永アロエヨーグルト シャンパンカクテルテイスト」

 ひとつは、20周年を記念しファンと共同開発したコ・クリエイションによる商品展開。12月2日より期間限定で発売されている「森永アロエヨーグルト シャンパンカクテルテイスト」は、ファン約20,000人から寄せられたテーマ・味・デザインへの声の集大成として開発された。シャンパンのテイストとした理由は、ゴージャスな風味へのリクエストを実現するため、そして「森永アロエヨーグルトも20歳になり、お酒が飲めるようになったから」という茶目っ気も含まれている。

 森は「こうした新フレーバーの展開を、今後も8週間に一度のペースでリリースしていく予定です」と明かす。商品の改廃ペースが早いコンビニ市場でシェアを獲得し続けていくためには、メイン商品に次ぐ2番手、3番手の顔ぶれを充実させることがカギとなるためだ。短いものでは1ヵ月ともたずに棚から消えていく商品もあるという、市場の厳しい現実が見え隠れする。

 さらに、機能面における研究にも力を入れている。「『森永乳業=アロエ』というイメージを確立するために、アロエベラがもつ機能に立ち返りました。その結果、『アロエステロール』という美容食品成分を世界で初めて発見しました」と森は語る。いわばアロエベラの秘密ともいえる成分だ。経口摂取されると吸収され血中に移行し、コラーゲンやヒアルロン酸の生成を促す。そのため、保湿やしわの改善などに効用があり、肌の悩みに対して幅広い効果が期待できるという。担当研究員が2003年から10年以上に及ぶ研究の末に発見した。美肌につながるメカニズムを科学的に解明し、アロエベラのもつ機能が明らかになったのだ。

徹底したマーケットイン 消費者に喜ばれるのは、
味と食感という「森永アロエヨーグルト」らしさ

 ロングセラー商品の「森永アロエヨーグルト」も、20年の歴史の中で幾度もレシピの見直しを重ね、今に至っている。年に一度行うモニタリング調査のほか、フレーバーは年2回見直しを行う。変わりゆく消費者の嗜好に合わせ、「ほんのわずかな甘みの変化」といった微調整にも妥協がない。徹底したマーケットインを貫くその姿勢からは、トップシェアブランドの驕りは微塵も感じられない。

 売り場を見渡せば、ヨーグルト本来の味よりも「風邪の予防」や「発ガンリスクの軽減」など機能性で勝負する競合ばかり。美と健康に貢献する商品を展開する一方で、あえて愚直に「おいしさ」を追求し続けることも「森永アロエヨーグルト」が大切にしている姿勢だという。

 「アロエであること、アロエにこだわること。それがコアな価値となって20年間支持をいただけたのだと思っています。市場の流れが『機能性』であるとしても、そこに全面的に舵を切ることはしません。森永アロエヨーグルトらしい基本的なおいしさと食感については、これからもこだわって進化していきます」。森は力強くそう締めくくった。(敬称略)

  
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