2024年11月25日(月)

Wedge REPORT

2015年1月26日

時短勤務の女性社員を抜擢

─ーダイバーシティをもたらすために実行していることは。

 ダイバーシティをもたせるには抜擢人事も必要。女性の抜擢も進めており、筑波工場に勤める育児休業から復帰した女性社員を管理職であるチームリーダーに登用した事例もある。昇格前も現在も時短勤務だが、勤務時間の長短にかかわらず能力のある人物は抜擢する。

 外国人を経営トップにもってくることも行っているが、これも多様性をもたらすためには重要だ。若い社員の抜擢も行っており、私がLIXILに移ってから、リーダーシップ教育というものを継続して行っている。そのなかで、「若いがこいつはすごい」と思った社員や、工場経験しかない社員をいきなりマネジメントに抜擢するなど、一歩一歩階段を上っていく人事ではなく、2段階、3段階ジャンプするような人事を行っている。

─ー日本では積極的に抜擢を行わない企業も多い。

 抜擢がない、透明性がないといった人事制度や官僚的な組織などは個々の能力を削ぐ。誰しも元来高いポテンシャルをもっている。それをいかにして引き出すかが重要だが、日本の大企業はそれが下手だ。

─ーGEのジャック・ウェルチ元CEOは当時30代だった藤森さんに目を付けた。日本の大企業では30代の社員をよく知らないトップが多いが、どのように若い人材を発掘しているのか。

 LIXILでは、部門ごとにハイポテンシャルの人材を報告させるようにしており、そうした人材には、私自身が会う。

 また、ナインブロックと呼ぶ、縦軸にパフォーマンス、つまり結果を出す力、横軸にリーダーシップをおき、それを9つのブロックに分けて、社員を振り分ける仕組みがある。現在管理職に適用しているが、15年4月からは一般社員にも適用する。

 そして、年に2回、各ブロックにいる社員に対して、次にどういったチャンスを与えるか、ということを検討する。チャンスは誰にでもある。ナインブロックで、縦軸A、横軸1、つまりもっとも高い位置づけであるA1の社員にはもちろん、それ以外の社員にもチャンスを与え、1つの組織に滞留させないようにしている。


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