2024年11月22日(金)

世界潮流を読む 岡崎研究所論評集

2015年2月2日

 歴史観というのは、民族によって異なる上に、日本国内でも各人により異なっています。歴史は「物語」であって、各国、各人がその価値観に基づきそれなりの歴史観を持っているのです。正しい歴史認識などというものはなく、さらに政府が「この歴史認識が正しい」と決めるようなことは自由民主主義ではありえません。したがって、日本政府は歴史問題を学者に任せ、各人に任せるのが正解であり、政府として見解を述べるのは最小限にすべきです。

 戦後70周年にあたり安倍談話を出す計画ですが、過去の歴史への謝罪を繰り返す一方、それよりも、日本の平和国家としての歩み、今後の国際平和への貢献を強調する内容になりそうです。談話を出すとすれば、そうしたトーン以外は考えられません。ただ、もっと言えば、10年おきに、このようなことに政治的エネルギーを使うことに意味があるのか、再考してみる必要があるでしょう。

  
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