日本ができること
中国は、積極的な外交と直接投資等によって、2つのシルクロード建設のための拠点を確保しつつある。現段階では、2つのシルクロードを活かすことのできる経済構造を中国が創出できるかどうか、及び輸送・経済活動を保護するために展開する中国海軍が実戦能力を持てるかどうかは、未知数である。しかし、能力が十分であるかどうかは、対処する相手と事象にも依る。
国際秩序と規範に則って行動する限り、中国の経済活動展開を誰も非難できないし、海軍艦艇の航行にも問題はない。軍艦であっても、他国の領海を無害通航する権利は認められている。また、日本が中国と同様の手法で経済活動を展開すること、及び軍事プレゼンス競争を展開することには現実性がない。
それでも、中国の「一帯一路」の行き着く先が、日本を含む他国の経済的利益を脅かし、軍事的にも対立する状況であってはならない。日本は、米中及び地域各国と協力して、中国が言う「各国との共同発展」が他国にとっても「共同発展」と認識されるような枠組みを構築する努力をしなければならない。
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