2024年11月22日(金)

Inside Russia

2015年3月13日

 クリミア地元政府のある幹部は「(鳩山元首相のような)高いレベルの政治家は大きな政治的重みを持つ。国際社会がその意見や立場を注視する」と言い、今回の招待を歓迎した。コメルサント紙は、訪問日程がロシア外務省の現地支部のもとで綿密に作成され、鳩山氏一行を国賓級扱いで迎え入れたことも伝えた。

「美しすぎる検事総長」との面会も話題に

 ロシアが孤立を深める中で、主要7カ国(G7)の首脳経験者の訪問効果を高めるために最善の策が錬られたのは、日本で知名度の高いナタリヤ・ポクロンスカヤ女史が代表団と面会する日程が組まれたことを見ても明らかだ。

クリミア検事総長 ナタリヤ・ポクロンスカヤ氏(写真:Newscom/アフロ)

 34歳の若さでクリミア共和国高等検察庁検事長の肩書きを持つポクロンスカヤ氏はその端正な容姿から日本でも「美しすぎる検事総長」として似顔絵や写真がネット上で紹介されている。ロシアでもクリミアの有名人の1人として注目を集め、髪型を変えただけでもメディアの話題に上る。ポクロンスカヤ氏は欧州連合(EU)の制裁対象リストに含まれているが、日本で人気を博していることは、クリミアでも広く知られていた。

 ポクロンスカヤ氏は一行の滞在2日目、クリミア共和国指導部との会談の場に現われた。ポクロンスカヤ氏の同席は日本側のたっての希望で実現したのだという。現地通信社「クリムインフォルム」が会話のやりとりを事細やかに伝えている。

 この会談の前に報道陣に「その美貌のファンだ」と答えた鳩山氏はポクロンスカヤ氏を前にこう述べた。

 「あなたやあなたの活動について伝え聞いている。我々の代表団の中でも、あなたと会いたがっていた者が何人もいる。私も含めてだ。あなたがこの場にいてくれて私たちは幸せだ」

 するとポクロンスカヤ氏はこう返答したという。

 「あなた方が、(昨年3月にロシア編入の可否を問うた)住民投票がウクライナの法律と国際法に基づき行われたと指摘してくれたことは私にとって光栄なことだ。検事は常に法律の側に立つ。ところがキエフではそうではなかった。ウクライナで女性や子供たちが銃撃された際に国際社会が反応しなかったことは私を驚かせた」


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