席上では露日友好団体の地元支部のトップにポクロンスカヤ氏が就くことも提案された。鳩山氏は「もしポクロンスカヤさんがロシア側にいるのなら、日本では誰もが賛成するだろう」と持ち上げた。
沖縄米軍基地についてクリミアで協力依頼?
高まる一方の鳩山非難をよそに、ツイッターやネット掲示板で盛り上がる日本国内の反応を見る限り、ポクロンスカヤ氏に焦点を当てた宣伝作戦は成功しているように思える。
ロシアではいま、対露制裁を科す欧米諸国内でも、ロシア寄りの政治家や有名人の発言は大きく取り上げられる状況にある。ロシアが経済的な苦境を極める中で、その傾向はますます顕著になっている。欧米に賛同者がいることを示すことで、プーチン政権の失態をうやむやにし、不満を抱くロシア国民の溜飲を下げる意味合いがある。
プーチン政権が統制下に置く主要メディアが取捨選択して、今回の鳩山氏の言動をどう報じたかを見れば、ロシアがいま何を欲し、外国からどう見られたいのかがわかる。いくつか紹介したい。
「自分の目で見る。日本の元首相、クリミアへ到着」「日本の元首相:西側のメディアはクリミアについて一方的な情報しか与えない」(露国営紙ラシースカヤ・ガゼータ)
「日本の元首相、クリミアの人々の暮らしぶりについての真実を日本国民に伝えるのを約束する」(全国放送NTV)
「鳩山元首相『クリミアの人々は自分たちをロシアの一部と認識』」(ラジオ局ロシアの声)
「日本の元首相:クリミアの住民投票は住民の現実の意思を反映している」(ロシア・トゥデイ)
「日本の元首相は、クリミアの通りで戦車も貧困な人たちも目撃していないと言った」(タス通信)
「日本はクリミアの発展に大きな貢献をすることができる-鳩山由紀夫」(露誌論拠と事実)
特に、ロシアと敵対する米国を批判する論評は強調されるきらいがある。鳩山氏は今回、クリミアで行われた記者会見で、米軍普天間飛行場の名護市辺野古移設について「米国政府の強い影響下にある」安倍政権が沖縄県に圧力をかけて強引に実現しようとしていることを強く批判してみせた。