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そして、金剛峯寺執行で高野山真言宗の宗務総長公室長の山口文章(ぶんしょう)さんもまた、大らかな空気をまとっていた。名刺には、金剛峯寺山林部長と連記されている。
「私は高野山で生まれ育ちましたが、大学は大阪で、林学を学び、その後、材木商社に勤めて、全国の森林を巡りました」
そして、金剛峯寺の職員として戻ってきた。各地の森林を見た上で故郷に戻った山口さんは、高野山を特別な森と感じ、その保護にも尽力している。
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「奇蹟の森なんです。特に、奥之院を巡ると感じますが、古杉の植生に驚かされます。林学の常識を超えて密集している。しかも、揺るぎない信仰の環境ができ上がっています」
それは、空海が高野山を選んだ時点からあったものだと山口さんは考える。
すると西山さん、「幼い頃から高野山に何度も来ているので、私の中では普通の場所になってしまっていましたが、奇蹟の森というお話に、いきなりビンタを喰らったような気分です」と打ち明ける。