リオ五輪出場を懸けたアジア予選が勝負!
飯嶋:「(藤崎)朱里さん個人としては日本代表復帰、リオ五輪出場という目標がありますが、今日は朱里さん個人と朱里さん率いるラガール7の目標設定を整理してみたいと思います」
「朱里さんの自分軸はしっかりしているのでぶれはないと思いますが確認しておきます。リオ五輪は来年(2016年)でも、勝負は今年の秋と考えている。それでいいですか?」
藤崎:「それはチーム(ラガール7)として? それとも私個人としてですか?」
飯嶋:「チームでも、個人でも、正直なところで結構です。今のように聞かれて朱里さんとしては、どちらをイメージしましたか?」
チームと個人とどちらをイメージしたかという問いに対し、藤崎はチームの勝利と個人を結び付けて答えている。
その答えを要約すると3月~7月に掛けて行われるセブンズの国内大会で圧倒的なチーム力で勝利し、在籍している日本代表候補のうちどれだけの選手が日本代表に食い込めるか、その上で日本代表がアジアNO.1の座を勝ち取り、リオ五輪の出場権を獲得することが目標である。
それに向けてチームとしての意思統一が図られ、前年にはなかったような高いモチベーションでスタートを切ることができている。という内容だった。
それを受けて飯嶋が聞く。
飯嶋:「僕から見ていても最近選手たちの意識が高いという印象があるのですが、朱里さんが感じるモチベーションの高さというのは具体的にどのようなところに表れていますか」
藤崎:「選手がそれぞれの立場で責任感や危機感、緊張感を持って、自分自身で考えて行動するという自立心が出来てきたことです。そこに強く表れていると感じます。ただ、自分がその中(日本代表)に入っていくのが見えているかどうか……。選手によってまったく違うでしょうね」
「だからこそ結果が大切なのです。強い立場でなければ日本代表に食い込むことはできません。そのためにはチームとして夏までに圧倒的な結果を出して示すことが必要です」
「選手によっては2016年までと決めている者もいるはずです。もし今年オリンピックが決められなかったらリオで勝負することはできませんし、その選手には来年もありません。だからこそ今年が勝負! 今年に懸けようという思いでチームの意志統一が出来てからは、選手たちの強い気持ちが伝わってくるようになりました」
実際の現場ではもっと細かいやり取りが続き、キャプテンとしての立場と選手個人としての立場を行きつ、戻りつしながら対話を重ね、藤崎の言葉を引き出していく。
数十分間、背中越しに二人のやり取りを見ていたのだが、ボクシングでいえばジャブの応酬のように、お互いが探り合っているようにも感じられた。