2022年8月12日(金)

あの負けがあってこそ

2015年4月2日

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 今年の女子ラグビーの主要大会は、3月の関東セブンズとJapan Women’s Sevens 2015を皮切りに、新年度は4月から太陽生命カップの国内サーキットシリーズが始まり7月までシーズンが続く。

 飯嶋は公式戦のシーズン中は、フィットネスに注力することができなくなると予想し、6月までの全体の練習回数と練習時間、1回あたりの練習時間と練習の質、選手のモチベーション等、想定される問題点を整理しながら、藤崎の目標をクリアするためのスケジュールを明確にしていった。

今この瞬間からスモールステップが始まっている

飯嶋:「全体を通して、代表として、朱里さん個人として、ラガール7のキャプテンとして、話を言ったり来たりさせながら進めてきましたが、目標を達成するまでのスケジュール感みたいなものは、予定通りだなとか、加速しなければいけないとか、ポイントがどこにあるか見えたとか、今日の中で何か感じたことを聞かせてください」

藤崎:「今日の話を踏まえてスケジュールは考えている通りに進んでいると思いました」

 「リオ五輪のアジア予選という大きなポイントに向かって、この1~2月が重要な期間であることも見えてきました。そこがクリアすれば、その先が見えてくることもわかりましたし、クリアするためのポイントがどこにあるのかもわかりました」

 「最近になって、ラガール7としてのラグビーをするためには、どのような練習を積み重ねればいいのかという感覚を持てるようになってきています。きっと達成したいイメージを明確に持っている選手が多いんでしょうね。わからないけれどやらなきゃ、みたいな選手がいないということです」

飯嶋:「時間軸を整理すると目標をクリアするまでに、残りどれくらいの練習回数や時間の中で、何をしなければならないのかわかってきます。1回の質を高める必要性もわかってきます。

 「だからこそ今が大切なのです。それでは今日、これから何をしますか? 目標が明確になったのですから、すでに今日、今のこの瞬間からスモールステップが始まっています」

 「この後から何をしますか? まずはそこからです」

黒子に徹し、アスリートの夢を支える

 終了後、飯嶋に解説をしてもらった。

 「今日の結論と言うか明確になったことは、朱里さんは目標とするフィットネスを手に入れて、ラガール7のキャプテンとして、ラガール7の仲間と共に、ラガール7の試合でその力を発揮したいということなのです。ライバルチームを圧倒したいという言葉もありました。それはラガール7としての立場ですよね。ライバルチームには何人もの日本代表選手がいますので、そのライバルを叩ければ自分が日本でNO.1であり、イコール日本代表の実力があることの証明にもなります。自分が今手に入れたいと思っていることは、選手個人としての最大の目標に直結しています」

 「現時点では日本代表のイメージを深掘りするよりモチベーションの源泉であるラガール7のスケジュールに合わせて、イメージを鮮明にした方が良いと考えて話を進めていました」

 最初に何らかの答えを持っている訳ではない。全ては選手から出てくる言葉によってモチベーションの基となっている「もの」を探り、目標とするゴールに結び付けていく。アスリートと飯嶋の手さぐりの共同作業である。

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