米国民の3分の2は海外との通商関係の増進を支持している。TPPが米国の安全保障にとって思いがけない利益を生むのを確実にできるかどうかは議会にかかっている。
そうしなければ、歴史的な戦略的愚行になる、と論じています。
出典:Michèle Flournoy & Ely Ratner‘A Trade Deal With a Bonus For National Security’(Wall Street Journal, March 8, 2015)・
http://www.wsj.com/articles/michele-flournoy-and-ely-ratner-a-trade-deal-with-a-bonus-for-national-security-1425854510
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フロノイ及びラトナーは、TPPは、米国のアジアに対する経済的関与を強めるのみならず、米国のアジアにおける安全保障上の結びつきを強め、地政学的にも重要である、と述べています。
その通りなのでしょう。TPPが米国の安全保障にとって思いがけない利益を生む、と言っているのは、TPPが本来通商関係の強化を目的とするものである、ということのほかに、付随する安全保障上の利益が、予想以上に大きいことを意味しています。
交渉で完全さを求めるべきでない、と言っています。ということは譲歩し、妥協すべきであり、政治的決断をすべきであるということです。これはおそらく、米国に一番当てはまるのではないでしょうか。
関税引き下げのほかに、環境保護、知的財産権、国営企業の取り扱いなどで、交渉が続いています。これらの多くは、開発途上国の関心事項です。開発途上国に米国並みの基準を求めるのは無理です。TPP交渉の妥結は、米国に大きな利益であり、オバマ大統領にとってレガシーとなります。米国は妥協の道を探るべきです。
交渉の具体的内容は承知していませんが、開発途上国の関心事項に関し、日本は米国と開発途上国の橋渡しができる立場にあります。
TPP交渉の妥結が日本にとって大きな利益であることは言うまでもありません。交渉の妥結に向け、日本の貢献が期待されます。
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