今までの日本の宣伝を抜本的に変えるということで九段研究所というのをつくり、「日の丸アワー」という放送をやった。相手を考えてどういうふうにやるかとか、私がここで話したことの基礎がここに書かれている。戦争の中において日本はそれなりの考え方を持ってプロパガンダができていた。そういう先例があるわけで、それを知れば、いま起きているような発想にはならないはずだ。
――領土問題について日本のなすべきPDは
佐藤:PDの観点でいえば、日本は戦前の大日本帝国とは別の国で、誇るのは自由、民主主義、市場経済という普遍的価値を受け入れたことである、ということを継続して言い、お互いICJ(国際司法裁判所)への付託に応じましょうと呼びかけるしかない。
――「慰安婦」問題についても同様か
佐藤:「慰安婦」問題については別だ。これはまず人間の生理的嫌悪をもたらす問題であり、そして、靖国神社参拝と同じように、敗戦国の主張がお腹一杯通ることは無い問題だということを認めなければいけない。国連憲章では加盟国家間の戦争を禁止しており、戦勝国と敗戦国の区別は永久に続いていくことを、敗戦国民として生まれた我々は認めなければならない。
韓国の主張に耳を傾け、事実と違うことは、淡々とデータに基づいて主張していくしかない。細かい歴史で争っても意味が無い。
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