Wedge REPORT

2015年6月26日

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なぜ府ではなく市を廃止なのか

編:であれば、なぜ大阪府を廃止して、大阪市に統合し、強い権限を与えていくという方向にならないのですか

佐々木:大阪市は全政令市の中で堺市に次いで2番目に狭い。小さすぎるから、もともとは「グレーター大阪」でやろうという構想だった。豊中、吹田、堺など、隣接10市と一緒になって大・大阪市をつくり、大阪・堺の2政令市を廃止して特別区にしようと。

 しかし堺市長選で敗北してしまった。隣接市との合併も時間がかかる。そこで事実上、大都市と化している大阪府をベースにすることにした。大阪府は府県としては小さい。大阪府を大・大阪市として捉え、大阪都=大阪特別市として成長させていこうというのが都構想だ。そして、都構想の次のステップとして道州制があった。大阪都を関西州の中心に位置付ける。橋下市長や維新が改憲に賛成していたのは、憲法改正で道州制を導入しようと考えていたからだと理解している。

編:都構想否決で大都市制度改革は頓挫したということですか

佐々木:それでは日本は疲弊してしまう。ただ、統治機構改革を政治闘争でやるのは難しい、ということ。これに懲りて、政党レベルでは敬遠されるだろう。憲法改正という道は残されているが、時間は相当かかるだろう。

 都構想は否決されたとはいえ僅差だった。何度でも挑戦する価値はある。大阪は変わると言いながら自ら潰したという負のメッセージになるのが一番よくない。大阪への投資は減り、69万人の賛成派の不満は高まる。反対派に対案はなかった。新大阪都構想をつくり、説明不足と言われたところを改めて説明すればいい。一度の敗北で諦めるような薄っぺらな構想ではない。

  
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◆Wedge2015年7月号より

 


 

 

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