2024年11月23日(土)

未婚大国ニッポン~“絆”のゆくえ 「まだシングル、ずっとシングル」

2015年9月1日



ネット婚活で出会ったバツイチ男性には、もう一度会ったけれども、「せこかったので」トーンダウンしている。

 「いてもたってもいられなくなって、最近、占いに行ってきたんです。そしたら、私の手相は、『結婚しても破たんする。結婚向きでない』って。結婚は向いてないのかなぁ……」

 悩みだした彼女に私は聞いてみた。

 「そういえば、奈央さんはどうして結婚したいのですか?」
 

 

シングルマザーも視野に入れ


 「そうですねー。一生一人でいたら寂しいし、不安だから結婚したい……というのは、表向きの理由ですかねぇ……。

 本音を言えば、長い間、好きで好きでたまらなかった人と結婚できないとわかって、ほかの人を探そうと思ってやっと好きになった人にふられて……悔しいし、悲しいし、耐えられないから結婚したいと思ってる……というのが本音になるでしょうか」

 「言葉にするとしょうもないですね」と言って、彼女は笑った。

 結婚という“絆”のあり方を、彼女はまず、探ろうとしている。

 その後、場合によっては、別の“絆”に行き着くこともあるだろう。

 先ほど子供の話が出たので、「子供は欲しいのですか?」と聞くと、「できれば欲しい」と言った後に、

 「シングルマザーになってもいいから、子供を産む努力をしようかな。だって、結婚したからと言って仕事を辞めることはないだろうし」
と、思案するように答えた。

 

 

 追記:総務省のデータによると、シングルマザーの数は、2010年の国勢調査では108万人余りで、5年前の調査時と比べると割合としては微増だが、“内訳”に変化が見て取れる。死別や離婚によるシングルマザーの割合は横ばいないし、減少傾向にあるが(URL資料のP11参照)、未婚のままシングルマザーになる女性の数は5年前から1,5倍に、10年前からは2倍に増えている(総務省統計局2010年「シングルマザーの最近の状況」より)。
*p13「未婚のシングルマザーの推移」図10参照)

 年齢別に見ると、35~39歳が一番のボリュームゾーンだが、何歳で出産したかまでは言及されていない。仕事を持った女性が未婚のまま出産するケースが増えているのかもしれないし、「恋心と婚活」を秤にかけた結果、シングルマザーになる道を選ぶ女性が増えているのかもしれない。

 ただし、バックアップの体制や、世の理解が十分にあると言えないのが現状で、厚生労働省の資料によれば、平成22年の「児童のいる世帯」の平均年収は658.1万円。それに対して、母子家庭世帯の平均年収は291万円である。

 そんな状況ではあるが、シングルマザーを選んだり、選ぶかもしれないと考える未婚女性たちは、増えている。

 


⇒第4回(9月配信予定)に続く。
 

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