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シコルスキ元ポーランド外相及びヴィケ・フライベルガ元ラトビア大統領がどのような政治姿勢を持っているのかという点に関しては不詳ですが、両氏がロシアの脅威に最も近い二国からみた危機感を訴える基調は強烈であり、悲壮感さえ感じさせるほど深刻です。
また、ロシアの傍若無人な振る舞いに直面して、NATO諸国の結束と米国の欧州に対する介入を強く求める主張はもっともです。
一方、ウクライナ情勢だけをみても欧州や米国が決定的な施策を講じることの困難さも明白です。
両氏は9月下旬にワシントンで欧州政策分析センターが主催する戦略フォーラムにおいて、前述のような議論が深められることを期待して寄稿したのかもしれませんが、いわゆるトラック2の場において自由な立場から欧州戦略を議論して来年のNATOワルシャワ・サミットに向けて知的な準備を重ねておくことの意味は大きいと思います。
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