乳幼児の成長発達に大切な抽象化
で、ふうちゃんは、同じことをもう一回してほしいときは、人差し指を立てて鼻に押しつけるしぐさをします。何度も何度もです。
たとえば、おいしく感じた食べ物を「一回、一回」とね。
たとえば、おもちゃを一緒に遊び終わったら「一回、一回」とね。
たとえば、大好きなアニメ映画のシュレックのDVDを観終わったら「一回、一回」とね。
この一回一回のおねだりを覚えたのは、ふうちゃんをお風呂に入れていたときのことです。
手拭いを広げて空気を入れ、お湯の中から泡をブクブクと出したんです。
よほど面白かったようで、満面笑顔になり「きゃっきゃ」と声を出しました。
で、私が人差し指を鼻にあてて「ふうちゃん、もう一回?」って、しぐさをしたんです。
ふうちゃんは、それいらい、同じことをしてほしいときには「一回、一回」をやるようになりました。
じつは、食べ物やおもちゃ、DVDなどの異なる現象を脳みそで同じ欲求の「一回、一回」に抽象化させて表現できるようになることは、乳幼児の成長発達の大切な要素なんです。
この抽象化は、なかなか難しいことだからなんです。
たとえば小学校低学年には、「リンゴとみかんが一個ずつで何個?」の質問の回答で、「ジュース」と答える子がいるんです。「リンゴとみかんは別物だから、ジューサーで撹拌するイメージ」しかまだわかないの。
だから、いろいろなことに「一回、一回」をふうちゃんがしたら、面倒がらずに何度も一緒にやるようにしています。
孫育てには辛抱強さが必要なんですね。