で、秋津の子どもとお年寄りとのふれあいのお話。
秋津の子どもは祖父母との同居率が14%と低いです(2010年度 鈴木沙織東洋英和女学院大学卒論より)。
一世帯平均人数だって、全国平均の2.36人とほぼ同じの2.39人ですし、いっぽうで65歳以上の高齢化率は全国平均の25.1%を超えて30.7%にまで高まってきています(2014年度)。
だから、子どもとお年寄りとのふれあいが必要なんです。
だって、子どもにとっては疑似おじいちゃんおばあちゃん体験を通してのいたわりの気持ちや、これまで生きてきたさまざまな体験談をきくことで「お年寄りってすごい!」と感じ、ともに暮らすまちの仲間になってもらいたいからです。
お年寄りにとっても、子どもたちとふれあうことで元気をもらい、要介護認定を遅らせての健康寿命を長くしてもらいたいしね。
で、秋津では、子どもとお年寄りとのふれあいがけっこう多いんです。
学校の「人間だいすきふれあい活動」の授業や行事でも、また秋津コミュニティの放課後子ども教室などでも多いです。
で、あるとき子どもたちにききました。
「あのさあ、きみたちさあ、おじいちゃんやおばあちゃんと一緒にいろんなことをしてるじゃん」と私。
「うん、昔遊びやばか面(めん)踊りなんかも教えてもらうよ」とある男の子。
「うちはぁ、育てたスズムシをひとり暮らしのおばあちゃんちに届けたからしょっちゅう遊びにいく!」と元気な女の子。
22回目に書きましたが、秋津小学校では2年生になるとスズムシの卵を前年度の2年生から引き継いで育てています。
で、成虫に育ったスズムシを、夏休み前に希望するお年寄り宅にお届けして飼ってもらいます。
そんなステキな学社融合の教育を、20年近くも続けているんです。
で、子どもとの会話の続き。
「そんでさぁ、きみたちはお年寄りのことをどう思うの?」
すると子どもたちは、だいたい3つのことを言いました。
「お年寄りは話を良く聞いてくれる」
「お年寄りはせかさない」
「お年寄りは怒らない」
とね。
もう私はビックリ!
だって、「親の反対のことをお年寄りは子どもたちにしてくれているんだ!」と思ったからです。
実際、私も子育て中はそうだったけど、現役の親は忙しいので「あとで」と話はきいてくれないし、「宿題したの! 明日の用意はしたの!」とせかすし、なにかというと怒るしね。
だから、子どもにとってのお年寄りって、けっこう大切な存在なんだなぁと思いました。