WEDGE REPORT

2015年11月16日

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仏、近く報復攻撃も

 こうして見ると、10月31日にエジプト・シナイ半島で起きたロシア機旅客機の墜落が大方の見るようにIS分派の爆弾テロだとすれば、それは今回のテロの布石だったようにも思われる。ISが海外で大規模なテロを実行できることを先だって示したからだ。

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 それにしても、シャルリエブド事件が起きて以降、フランスはテロ警戒レベルを最高に上げ、若者らがISの拠点のあるシリアに向かうことを阻む法整備なども行って対策を取ってきた。しかし、こうした警備強化にもかかわらず、いとも簡単に破られたことに治安当局は大きな衝撃を受けている。

 欧州全体でイスラム教徒は1700万人に達し、フランスだけでも600万人(全人口の10%弱)もおり、治安当局は監視すべき人間が多すぎて対応仕切れていないのが実状だ。しかもこれまでは、一匹狼型のテロリストを監視する態勢を重視してきたが、今後は従来の組織型テロにも注意を払わなければならない。フランスだけではなく、米英なども対IS戦略の見直しは必至だ。

 今後の捜査の焦点はISがいつからテロを計画し、どのようにして標的を定め、実行部隊と連絡を取り合ったのか。武器の調達などの支援態勢をどう整えたのか。とりわけ米欧の情報機関にとって大きな謎の1つは、ISと実行部隊との連絡方法だ。

 オランド大統領は今回のテロを「戦争行為」と非難し、あらゆる手段を使って反撃すると報復を誓った。フランスの報復が単に、ISに対する空爆強化に終わるのか、それとも2013年に西アフリカのマリに軍事介入したように地上戦闘部隊を投入するのか、シリア情勢の緊張が高まってきた。

  
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