新春にふさわしい松竹梅や七福神、鶴亀に、愛嬌たっぷりの小動物など、見ているだけで幸せな気分になれる画題の作品を集めた展覧会が、東京・山種美術館で開催される。
平成28年(2016)は、正徳6年(1716)生まれの奇想の絵師、伊藤若冲(じゃくちゅう)の生誕300年という記念の年に当たることから、会場には押絵貼屛風の「群鶏図」や、七福神を描いた「布袋(ほてい)図」と「恵比寿図」、それに動物の姿がユーモラスな「河豚(ふぐ)と蛙の相撲図」など、墨画9点を含む若冲作品11点が集結。若冲の遊び心が感じられる絵画をたっぷり鑑賞できる。
また、下村観山(かんざん)の「寿老」や小林古径(こけい)の「鶴」、竹内栖鳳(せいほう)の「艸影帖(そうえいちょう)・色紙十二ヶ月」のうち「鯛(一月)」など、近代日本画を代表する画家たちによる吉祥画の数々も見逃せない。なかでも日本の象徴、富士山を描いた、横山大観の「心神(しんしん)」は、神々しい霊峰富士が印象的な作品で、すがすがしい気分になれる。
このほかに、川合玉堂(かわいぎょくどう)の「猿」や、松尾敏男の「手長猿」など、申年にちなんだ作品も展示され、全部で約70点の作品が勢ぞろいする。おめでたい絵に囲まれて、美術館でお正月気分に浸ってみるのも一興だろう。
ゆかいな若冲・めでたい大観─HAPPYな日本美術─
<開催日>2016年1月3日~3月6日
<会場>東京都渋谷区・山種美術館(山手線恵比寿駅下車)
<問>☎03(5777)8600
http://www.yamatane-museum.jp/
*情報は2015年11月現在のものです。料金・時間・休館日などの詳細は、お出かけの際、現地にお確かめください