移民排斥の極右躍進
玉砕覚悟まで追い詰められたIS戦闘員
新たなテロの懸念と不安が国民の間に蔓延するのを追い風にしてフランスではルペン女史率いる極右「国民戦線」の移民排斥の主張が支持を受け、地域圏議会選挙の1回目では得票率30%を獲得して第一党に躍り出た。13日に実施された2回目の結果に注目が集まっている。
米国でも次期大統領選の共和党指名争いでトップを走る実業家のドナルド・トランプ氏がイスラム教徒の入国全面禁止を主張して物議をかもしているが、同氏の率直な物言いに、よくぞ言ってくれたと考える白人有権者も多く、欧米を中心にイスラム嫌いが急速に高まっていると言えるだろう。
こうした中で、パリ事件の後からテロの元凶ともいえるISに対する米欧、ロシアの攻撃が激化、特にここ数日、米国とイラク軍がイラク西部アンバル州の州都ラマディの奪回作戦を開始、市の中心部を包囲して突入の機会をうかがっている。
ラマディは半年前にISが制圧して以来占領中で、約300人の戦闘員が玉砕覚悟で抵抗を続けている。IS側はトンネルを無数に張り巡らし、市のいたるところにわな爆弾を仕掛け、全員が自爆ベルトを着てイラク軍を待ち構えているという。仮にラマディが陥落すれば、ISにとっては大きな打撃となり、シリア、イラク両戦線でISの劣勢が一挙に強まる可能性もある。ISとの戦いは、パリのテロ事件1カ月とともに、いよいよ重大な局面に入ってきた。
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