2021年1月24日(日)

J-POWER(電源開発)

2016年1月14日

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 それもそのはず、糠平発電所は平成18年から約3年をかけて、経年化した水車や発電機などの設備を一新したのである。保守の効率化とコストダウン、高経年化に起因する設備停止日数の削減を図ることなどがその目的だ。また、水車・発電機の高効率化により、発電出力は従来の4万2000kWから約5%アップの4万4200kWまで期待できることとなった。

(左)一括更新で生まれ変わった糠平発電所の水車。(中)2台の発電機も更新。最大出力は4万4200kWまで期待できる。(右)ダムに貯められた水は取水口から約3kmの導水路を経て水圧鉄管へ。約110mの落差で水車を回す。
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 「同じような取り組みは全社的に進められていて、福島県の田子倉発電所でも8年がかりで、全4台の発電機を含む主要設備の一括更新を終わらせました。ここでも38万kWから40万kWへの出力増を達成しています」(山本所長)

 最新の設備と技術の導入により、今までと同じダムを使い、同じ水量で発電量を高める「一括更新」は海外にも前例がない。平成27年からは、静岡県浜松市にある秋葉第二発電所でも一括更新が進行中だ。

進化する技術と設備でさらに広がる水力の可能性

 最新の設備と技術はダムや発電所の管理にも導入されている。「上士幌ダム制御所」では十勝川水系の一連のダム群における取水量や水位、異常・故障の発生、水量管理に影響する気象状況などを24時間リアルタイムで監視している。

十勝川水系のダムなどを監視する上士幌ダム制御所。当直員が24時間体制で監視している。大型モニターがリアルタイムの現地映像を映し出す。

 また、維持流量に応じて自動運転を行っているくったり発電所を除き、J-POWERが北海道で運転する十勝川水系の8つの発電所と石狩川水系の2つの発電所のすべてが、函館にある「北地域制御所」と結ばれた情報通信ネットワークと集中管理システムによって遠隔制御されている。

 「これらが絶えず連携して、電気の安定供給を支えています」と山本所長。「自然環境との調和、そして地域との共生を図りながら、貴重な水資源をしっかりと電力につなげていきたいですね」と話す。それを受けた森田さんが最後にこう応えて、今回の取材は終了した。

 「CO2フリー電源としての水力発電には以前から関心がありましたが、まだまだ可能性を感じますね。まさに、時代の求めに応じて進化を続ける“水のチカラ”。周囲の環境にも溶け込んでいて、隠れた観光資源にもなりそうですし、今後も積極的な取り組みを続けてほしいですね」

森田正光(もりた・まさみつ) 気象予報士。財団法人日本気象協会を経て、1992年日本初のフリーお天気キャスターに。同時に気象サービスの株式会社ウェザーマップ、気象予報士受験指導の株式会社クリアを設立。公益財団法人日本生態系協会理事、環境省「地球いきもの応援団」一員として環境問題や気候変動問題にも関わる。各メディアで活躍中。

 

J-POWERの火力発電所視察を始めとする過去の記事は
こちらからご覧になれます

誌上特別セッション “低炭素エネルギー再考”
複眼思考で見えてきた石炭の役割 (竹内純子×石河茉美×村山均)

20歳の論客 山本みずきが視るエネルギーの未来
最先端「石炭火力」の現場から (磯子火力発電所)

エコノミスト永濱利廣が見た「革新的低炭素石炭火力」の未来
世界の経済と環境に貢献する技術 (大崎クールジェン)

提供 J-POWER(電源開発)