2024年7月25日(木)

チャイナ・ウォッチャーの視点

2009年10月22日

 国務院の関係者はこう解説する。

 「それは歴史的な経緯も関係しています。そもそも朝鮮戦争に参加することは毛沢東の鶴の一声で決まったことですが、当時の上層部はほとんどが慎重論だったのです。その毛沢東の決断が後に成功譚になって語り継がれていったことで、次第に北朝鮮に対する友好政策は、中国共産党の根幹にかかわる問題へと変わっていったのです。だからこそいまの指導者がそれからはずれた決断をしようにも、余程の理由がなければ軽々に変えられなくなってしまったのです」

 不思議なことは、これほど不満の多い外交政策であっても、そこに何の危機感も焦りも伴っていないことだ。このことを問うと前出の外交関係者は、「北朝鮮は放っておいてもいずれ中国にすり寄ってこざるを得ない」と自信たっぷりにこう語ったのだ。

 「金正日という強いリーダーがいるうちは違うでしょうが、それを失った後の北朝鮮は、外交力も政治力も急速に弱っていくと考えられます。そのときにはどうであれ中国を頼らざるを得なくなるでしょう。ならばいま慌てて何かをする必要もない。つまり中国はいま、外交よりも内政に力を投入し、自国の力を蓄えることに専念すればよいのです。現政権の政策ともピタリと一致します」

 この中国の余裕は、何としても自分の存命中に南北統一の道筋をつけようとする金正日の焦りと裏表の関係なのかもしれない。

※次回の更新は、10月29日(木)を予定しております。

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