2024年11月22日(金)

世界潮流を読む 岡崎研究所論評集

2016年2月3日

 このチャアプタイの論説はトルコの外交に生じつつある変化を描写しています。今のトルコ外交の描写として優れていると思います。

 トルコで現在生じている外交路線の変化は、欧米にとって好ましい変化です。欧米もこの変化を促進するような対応をしていくことが望まれます。トルコは親日的な国です。トルコが西側に接近することは日本にとっても悪い事ではありません。奨励すればよいと思います。

 中東は、ユダヤ、アラブ、トルコ、ペルシャの4民族が角逐している地域です。トルコが西側の友人に戻ってくるのは中東の安定化、中東情勢の健全化に資すると思います。

 ロシアのプーチン大統領のトルコを脅しつけるやり方はどうかと思います。記者会見で、トルコ軍機が少しでもシリア領空を侵犯すれば、配備したS-400ミサイルで撃ち落とすと言ったり、年次教書演説で、トルコの指導者に向かって「一度ならず後悔させてやる」などと言ったりするのは、度を失しているとしか思えません。領空侵犯が起こった場合は、警告し、強制着陸させるのが普通で、いきなり撃ち落とすと言うのは旧ソ連がやっていたことです。トルコも乱暴なことをしましたが、同じことを対空ミサイルでやると言うプーチンもプーチンです。こういうことでプーチンはトルコを西側に追いやっています。その結果は、日本にとっては良いことにつながってはいます。

  
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