1月14日に起きたジャカルタでのISのテロについて、ウォールストリート・ジャーナルは同日付で社説を掲載し、インドネシアのような穏健なイスラム国家もISの標的となっており、こうした国々がISとの戦いに参加する必要があり、インドネシアはその先頭に立つべきである、と述べています。社説の要旨は、次の通り。
過激派に対する砦であったはずが……
ISは、1月14日のジャカルタでの爆破と銃撃(少なくとも2人死亡、20人以上が負傷)を実行したとの犯行声明を出している。ジャカルタでは2009年のマリオット及びリッツカールトン・ホテルへのジハーディストの爆弾テロ以来の大規模攻撃である。14日の標的も、同様に西側の人々が頻繁に訪れる場所であった。1月12日のイスタンブールにおける自爆テロに引き続き、ISが穏健イスラム国家を標的に入れていることを示している。
インドネシアの安定した民主政治、自由主義的イスラムの伝統は、過激主義に対する砦と看做されてきた。11月に諜報のトップは、イラクとシリアでISに参加していた少なくとも100人のインドネシア人が帰国し始めている、と言っていた。2009年のホテル爆破や、さらに以前のバリ攻撃に関与したアルカイダ系組織ジェマ・イスラミア(JI)は、シリアに過激分子を送り込んだことで名声を高めていた。JIの精神的指導者と思われる、収監中の聖職者Abu Bakr Bashirは、2014年にISに対し忠誠を誓っている。
インドネシアの警察は先月、ジャカルタで新年の自爆テロを計画していたISに関連のある5名を逮捕し、最重点手配テロリストのサントソ容疑者(注:「東インドネシアのムジャヒディン」の指導者)をジャングルで捜索するプロジェクトも最近立ち上げた。同人は、海外のISのネットワークを通じて資金と武器を得ている疑いがある。14日の攻撃に用いられた爆発物が比較的弱かったことは、ささやかな慰めである。
7月にジョコ・ウィドド大統領は、当局が予防的手段をとりテロの指導者だけでなく共感者をもターゲットにするのを助ける新たな手段を開発している、と発表した。インドネシアの対テロ特殊部隊Detachment 88は、米豪の資金と訓練を受け、JIの細胞除去において輝かしい記録を残している。インドネシア政府は、迅速な破壊のため、追加的部隊も作っている。