2月半ばの春節の休暇明けから、上海の不動産が暴騰を始めた。1週間で30%以上上昇した物件もあるようだが、上海の仲介会社によると今年に入ってから概ね10%〜30%程度上昇しているイメージだそう。
上海バブルは終わらない?
はっきりしているきっかけは、2月19日に交付された不動産取引税軽減策と言われている。といっても、軽減されるのは、上海市の場合でも一時取得のケースで140平方メートル以上(この面積は共有部分も入って建築面積といわれるものなので、日本流の占有面積で言えば100平方メートル程度)の物件の取引税3%が1.5%になった程度であるが、これでも、買替え需要を随分と刺激しているようだ。
最近話をした上海の不動産デベロッパーの友人も、にわかに、新規開発用地の取得の動きが出始めて忙しくなってきたという一方で、あまりにも急な値上がりとその背景に心配もしているとのことであった。
中国のネットメディアをみても、今回の暴騰は異常であり、その危険性を指摘する声もでている(http://www.chinabgao.com/info/86670.html)。
昨年のコラムで、中国崩壊はありえないとの考えを表明した自分ではあるが、この程度の相場の暴騰、暴落はあり得るのが中国であると認識している。ただ、この友人の話を聞いていて、私もさすがに少し心配になってきたので、今回聞いた話を読者と共有したいと思う。彼の話を少し補足して整理すると以下のとおり。
⒈ 不動産の価格の上昇は、昨年深センから始まった。今年1月までに半年間で価格が約50%程度の上昇となった。
⒉ 上海は、春節明けから始まった。不動産取引税の軽減は確かに一つのきっかけであることは間違いないが、大きな背景としては、地方財政の問題があるのではないかと睨んでる。