2024年11月23日(土)

Wedge REPORT

2016年3月5日

 だからこの問題の答えは、一目見て、アやエではなく、イかウのどちらかであることがわかる。

正答は「イ」なのか「ウ」なのか

 では、続けて、イとウのどちらが正解なのかを考えてみよう。

 まず、図1から、西の空に見えている金星の位置は、火星と月の間のちょうど中間のやや火星寄りだ。これは、図3において、金星がイとウのどちらに位置しているときの見え方だろうか。

 それを考えるためには、錯覚をしないように補助線を引くとわかりやすい。筆者が図3の上に補助線を引いた図を見てほしい。

 これを見ると、ウの位置に金星があるときに、ほぼ、月と火星の中間地点に金星が見えることがわかる。もし、イの位置に金星があったとすると、図1の西の空の図においては、金星はそこに書かれている場所よりも、かなり火星に近い場所(図1で書かれている金星の位置と火星の位置の中間地点、もしくはさらに火星に近い側)に見えているはずであると考えられる。

 なお、ウの位置が、月と火星の視線方向のほぼ中間にあたっていることや、イの位置が、視線方向としてはかなり火星に近いということの理解は、補助線を引いて見てみないと錯覚してしまいやすく、注意が必要だ。

 また、補助線を引くときには、模式図における個々の惑星や月の中心どうしを直線で結ぶ必要があることも押さえておかなければいけない。太陽系のスケールに比べて、惑星や月のスケールは極めて小さく、本来は点で表現すべきところ、それではわかりにくので、便宜上、大きめの丸で表現しているだけに過ぎず、それぞれの丸の大きさには全く意味が無いからだ。

 まとめると、図1をもとに考えると、イもウもぴったりと合わないけれども、どちらかを選べと言われたら、私なら、ウの位置の方が明らかに図1の状況に近いので「ウ」を選ぶだろう。


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