オスカー像ってどんな像?
このオスカー像を身近に見る機会はあまりないと思うが果たしてどんな形をした像なんだろうか。アカデミー協会の発足式の時、第1回目の受賞者に何をあげたらいいのかという議論が出てテーブル席上にあった紙の上にサ~ッと一気にデザインするMGMの美術監督のセドリック・ギボンズ。簡単なナイト(十字軍の騎士)の裸像のデザインだったがいざ正式なデザインの仕上がりとなるとそのモデルのことで悩むギボンズ。すると愛妻があなたの考えているデザインにぴったりの人を紹介するわとメキシコの映画監督のエミリオの名をあげる。早速エミリオと顔合わせ。エミリオはこのモデル役が気にいらずひとまず裸のポーズをとる。これがギボンズの頭の中にあった騎士のモデルの原型となる。
早速ロサンゼルスの彫刻家によって立体像が出来上がる。そしてこの立体像の鋳造のため型どりを作って錫92.5、銅7.5の割合で鋳造し最終的に24金のメッキが張られて完成。もう少し詳しく製作工程を説明を加えると、960度の高温で溶かして型に流し込みメタルを作る。これに磨きをかけ銅、ニッケル、銀、そして金(24k)と4回の工程を経て本体が完成。この本体を入れて5個のアッセンブリ組み立てによってオスカー像を完成させている。
立像だから必ず台座が必要だ。フィルムを収める丸い缶が台座となりそこには映画作りの基本となる俳優、監督、プロデューサー、技術者、脚本家を意味する5つのスポークがデザインされている。普通はこの台座のデザインのことまでは気が付かない。
実は正式な名前があるオスカー像
オスカー像の正式な名前はアカデミー・アォード・オブ・メリット。1933年第5回授賞式の時からオスカーという言葉が使われ始めた。オスカーの身長は34センチ、体重が3.85キロ、胴回りは13.1センチ。資料によると2009年までに2701個のオスカーが作られている。今年の第88回までを計算すると多分製造した数は3000個を超えていると思われる。本来ならオスカー像には番号を刻印すべきなのがついそれを忘れてしまいやっと501本目からきちんと刻印が打たれている。これまでにオスカー像が紛失したり、何者かに盗まれたり、売買されたりして行方不明のオスカーもいる。