2024年11月22日(金)

華麗なるハリウッド映画

2016年5月1日

 あれっと思う1回もノミネートされなかったスターたち。ジョセフ・コットン、ジーン・ハーロー、リタ・ヘイワース、ボブ・ホープ、「シエーン」のアラン・ラッドも会社やスタジオの都合で、「バス・ストップ」の演技が光ってひょっとしたらと期待もあったであろうマリリン・モンロー、モーリン・オハラ、ロナルド・リーガン、ロバート・テイラー、タイロン・パワーなども。本当に運に恵まれず賞を逸した人がたくさんいた。

僅差で決まったオスカー受賞者の舞台裏

 アカデミー協会の規則によれば1位と2位の票数が3票差までは“タイ・イン”といって同等に見なされ二人が一緒に受賞OKの規約がある。主演男優賞部門で過去にウォーレス・ビアリーとフレデリック・マーチが一緒に受賞。主演女優賞部門でキャサリン・ヘップバーンとバーバラ・ストライサンドが一緒に受賞。いずれも3票差で。1位にたった7票差でオスカーを取れなかった可哀想なジュディ・ガーランド。敗れた相手はグレース・ケリー。有名な映画評論家のヘッダ・ホッパーによればその7票差とはMGMの総務部に属する人間の票だったとか。MGMは絶対にガーランドには賞をあげたくなかったようだ。またもやアカデミー協会の怪しき組織運営がちらほらと見えてくる。

 1939年、ヴィヴィアン・リーは10票差でグリア・ガースンを破っていた。僅差でオスカーを手にした者、または敗れた者の票を詳しくまじめにチェックしていくと思わぬ発見があるかもしれない。これもまたアカデミー賞の変な面白さなのかもしれない。

 今年の第88回アカデミー賞においてプレゼンターが発表する“アンド・オスカー、ゴーズ トゥ レオナルド・ディカプリオ”の名前を聞いてステージに駆け上がって行きオスカーを手にした喜びいっぱいのディカプリオの表情を幸いにも見た方もおられるとおもう。右手にオスカーを強く握りしめて高々と掲げるディカプリオ。

 この“アンド・オスカー・ゴーズ~”は第61回の1989年度から使用されているがその前までは“アンド・ザ・ウィナー・イズ~”が使われていた。この言い回しの変わり方は栄えあるノミネーションを獲得した作品やスターや監督たちのすべてが甲乙つけがたい素晴らしい仕事をしたのだから勝ち負けを意味する“ウィナー”(勝者)の表現には少々問題あるということから“オスカー・ゴーズ~”の表現に変わったのだろう。


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