華麗なるハリウッド映画

2016年5月1日

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 アカデミー賞でオスカーを手にするにはまずノミネートされないと第一歩が始まらない。ノミネーションはスター街道への第一歩で注目されるハリウッド映画出演のチャンスが大きく広がるというメリットがある。渡辺謙もそうだがハリウッド映画史上その名を残せるのがアカデミー賞のノミネーションなのだ。

アカデミー賞受賞夢見たスターたちの攻防

 アカデミー賞のノミネーションを得たいがために頑張ったハリウッド人は多い。MGMのトップ・プロデューサーのアーヴィング・タルバーグは妻のノーマ・シアラーのために。マスコミの帝王ハーストは愛人のマリオン・デービスのために親友のルイス・B・メイヤーに何回も力を貸してくれと頼む。タイム誌はそんな彼をオスカマニアと呼んだ。ジョン・ウエィンは自作の「アラモ」のために。セルズニックは愛妻のジェニファー・ジョーンズのために。いずれも失敗している。ノミネーションとは何かがこれで分かってもらえるだろう。ノミネートされないことにはあのオスカーを獲るチャンスがないのだ。たとえ大きな難関であるノミネーションの獲得が出来たとしても最後のオスカーへの道はさらに険しくて遠い。

 このオスカーを手にするにはどんな秘訣があるのだろう。会社、スタジオの都合により是を非とし非を是とする怪しい事象がうごめく世界で大変な努力をしなければそのチャンスは回って来ない。

 先ずは投票者にたくさん観てもらえるような上映の機会を増やすことから始まる。ビデオやDVDや原作本などの送付を決して怠ってはならない。キャンペーンの時期の5月ごろから翌年の1月までが勝負の時だ。特に小さなプロダクション作品のパブリシティ費用の金遣いは大きい。ゴシップ・コラムの利用や投票者の住まいがあるロサンジェルスやニューヨークでのテレビのスポットの効果も大きい。

 やっぱり最大の効果を発揮するのはスタジオの強力なバックアップだろう。別名プロデューサー賞と呼ばれる作品賞には芸術的、政治性の色濃い作品は敬遠される傾向がある。優先されるのは常に安全性と極めて保守的な作品が歓迎される場合が多い。どちらかというとかつてアメリカ映画が西部劇と共に大きく成長したにもかかわらず何故か西部劇は冷遇される。ファンタジー物やSF物にも冷たいのがアカデミー賞の実態だ。

 その決定の例を少し語ってみたい。所謂クラシック名画の世界で語れば、1945年の作品賞の対決作品は「市民ケーン」対「わが谷は緑なりき」、1955年では「陽の当たる場所」対「巴里のアメリカ人」1952年の「真昼の決闘」対「史上最大のショウ」、1956年の「ジャイアンツ」対「80日間世界一周」。よくお分かりのことと思うがすべて後者の作品がオスカーを手にしている。

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