2024年5月8日(水)

あの負けがあってこそ

2016年4月16日

 「常翔学園に憧れて、キャプテンになって優勝したいっていう夢を持って入ってきました。でも怪我をしてしまい、それでも、その夢をずっと持ち続けて、覚悟を決めてここまで来ました。車椅子のキャプテンだからといって、負けていいはずがないと思ってきました」

 そして2015年11月15日、常勝学園は決勝で関西大学北陽高校に「49対12」で勝利し、3年ぶりに『花園』への切符を勝ち取った。

 「この2年間出られなかったので、正直ほっとしました。全国優勝するという僕たちの夢の第一歩が踏み出せたのかなって思いました。ここから目標に向かって、チームの再スタートだって、みんなで気持ちを切り替えていったのですが……」

ラグビーと一生涯付き合いたい

 常翔学園は2回戦(1回戦はシード)で奈良の天理高校と対戦し「3対5」で敗れた。2回戦屈指の好カードに花園第3グラウンドは観客で溢れかえっていた。

 功貴は今の気持ちをこう語る。

 「もっとこうしたらええんちゃうか、もっとできたんちゃうかって思います。後悔先に立たずとか言いますけど、もっとこうしたら良かったとか、今になったらいっぱい出てきます。そう思っても、もう遅いんですよ。この天理戦を『花園』で負けた記憶としてだけじゃなく、この先、僕にとっての『あの負けがあってこそ』って言えるようにしたいです」

 功貴は2016年4月、摂南大学法学部法律学科スポーツ法政策コースに進学した。

 ラグビー部に所属しながら常翔学園でも分析を担当するテクニカルコーチとして、しっかり学んでチームに貢献していきたいと語っている。また、将来的にはどのような形にせよ、ラグビーには関わり続けていきたいと考えている。怪我というアクシデントはラグビーの練習中に起きたが、その後を支えたのはラグビーの仲間であり、ラグビーの絆だからだ。そのラグビーと一生涯付き合っていきたい。それが功貴の願いだ。

 学業とラグビーとリハビリと、恋もあり友情もある。いやいや、まだまだ、青春にはやることがいっぱいある。功貴の学生生活は今後ますます濃度の濃いものになっていくだろう。自分が欲する限り可能性は限りなく大きく、創意は無限である。

常翔学園高校ラグビー部「金澤巧貴君のブログ」
http://www.navyreds.com/nextstep/category/kkblog

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