スイスやタックスヘイブンに金を移しても、追跡されて割に合わないことになる。
ゴルゴ13に出てくるようなスイスの銀行が華やかなころ、大手客になぜスイスに資金をもっているのか聞いたことがある。
「金なんか増やさなくてもいい。夜、安らかに眠るためだ」
と太っ腹であったが、
「あんた等の投資銀行で引き受けたものを私の口座に入れるのは堪忍な」
とも長閑なスイスロマンドのフランス語でのたまった。お任せで資産運用する銀行が、別の部門で、株式や債券を引き受けて売れなければどうするか想像してみよう。
スイスの正統派プライベートバンクは、運用専業で引受業務はしていない。
欧米のリッチのように親子三代にわたって付き合えば、銀行も滅多なことはしない。
すでに閉じられてしまった門
日本の成金も、長く付き合えばよいのが、相続税を55%も払うと元金の方がなくなってしまう。でも幸せな人はどこにもいるものだ。すでに1万5000人のリッチは日本国を出ているのだ。しかし、後に続くことはできない。昨年7月1日に、この門は閉じてしまった。
日本でやってる「プライベートバンキング」。何ですか、あれ?
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