しかし「ヘルシー」なファストフードに注目が集まったのは束の間。マクドナルドのライバルであるバーガーキングは「トリプル・ホッパー」という三段重ね、ウェンディーズは「クワッド・ベーコネーター」と名付けた四段重ねバーガーを発売。この流れを受け、マクドナルドもビッグマックをさらに巨大化させた「ギガ・バイト」を期間限定販売、これが好調な売れ行きとなった。
また、ミズーリ州の6店舗のフランチャイズ限定ではあるが、「ポテトのおかわり自由」サービスも今年中に展開される予定だという。オハイオ州ではご当地マックとして「グランドマック」「ミニマック」というビッグマックの拡大版と縮小版を販売。こちらも人気だ。
お袋の味はマクドナルド
米国人の中には一定の割合で「お袋の味は?」と聞かれて「マクドナルド」と答える人がいる。それだけ子供の頃から親しんだ味だけに、ヘルシー志向と言われようとやはりマクドナルドのハンバーガーはがっつり食べたい、というのが本音なのかもしれない。一日中ブレックファストがウケる反面、こうしたスーパーサイズが歓迎されるのも米国の特徴なのだ。
この好調さに気を良くしたイースターブルックCEOは、「昨年発表した改革案は短期的な業績回復のためのもの。今後は長期的な展望を見据えたビジネスプランを発表する」と語った。
一方、思わぬ問題も浮上している。それは全米に広がる最低賃金値上げの波だ。カリフォルニア州は今年3月、「2020年までに州の最低時給を15ドルに引き上げる」法案を可決させた。今後こうした動きは全米に広がると考えられる。ファストフードのような薄利多売の商売にとって、従業員の最低時給が15ドル、というのはかなりの負担になる。