昨年5月経営不振のため大幅なリストラ策を発表した米マクドナルド。それから約1年が過ぎ、同社CEOスティーブ・イースターブルック氏は「顧客からの要望をビジネスに反映させた結果、業績は回復しつつある」と発表した。
今年の第一四半期の業績が公表されたが、マクドナルドの売り上げは世界で6.2%、全売り上げの4割を占める地元米国での売り上げも5.4%の伸びとなった。これはウォールストリートによる予測を上回る数字で、1年前に100ドルを下回っていた株価も130ドル近くまで上昇した。
ブレックファストメニューの終日提供
成功の理由として第一に挙げられるのが、「ブレックファストメニューの終日提供」だ。軽めのメニューである朝食は10時までのオーダーだったが、顧客からは「昼間や夜も食べたい」という要望があった。昨年10月からこれを実現したことで、マクドナルド離れし始めていた顧客の足が戻った。
次に、特にドライブスルーでの待ち時間が長い、との不満が多かったが、複雑なメニューを排除しサービスのスピード化を図ることで、サービングタイムがかなり短縮された。一方でこの流れの逆をいくものだが、店内での食事に対して高級ファストフードが提供するような「カスタマイズ」メニューを提供することで高級感を出すことにも成功した。これはパン、肉、野菜、チーズなどを数種類から選べる、というもの。
さらに、期間限定の特別メニュー、地方色を出した「ご当地マック」などを発売することで、客足を引き寄せる効果があったという。特にマクドナルドの象徴でもあるビッグマックに様々なバージョンを加えたことも、人々の興味を引く結果となった。
「肥満の元」も復活
面白いのは、かつては「肥満の元」として非難され、マクドナルド離れの原因になった、とも言われる「スーパーサイズ」が復活していることだ。監督自らがビッグマックのスーパーサイズ(ポテト、飲み物が巨大サイズ)を食べ続ける、というドキュメンタリー映画「スーパーサイズ・ミー」が公開されたのは2004年。その後マクドナルド自らがスーパーサイズメニューの販売自粛を発表した。