SAE(米自動車技術会)の年次総会にて、自動運転のカンファレンスに登壇したGoogle自動運転部門幹部のロン・メッドフォード氏(撮影:生津勝隆)
今後は、ディープラーニングを利用するためのいろいろな支援ツールが出てきて、現状よりは広く扱えるようになる可能性はある。しかし、究極的な問題解決には常に先駆的な人間の卓越した能力が必要だ。今後は更に広範なAI全体に対する知識や、脳神経科学、分子生物、遺伝学、倫理、法学といった学際的知識も必要となる。このような高レベルの人材を一番抱えているのはGoogleだろう。
Googleが送った
50項目以上の質問状
13年5月30日に、NHTSA(米国運輸省道路交通安全局)が「クルマの自動化」に関する提言(Preliminary Statement of Policy Concerning Automated Vehicles)を発行した。その冒頭でNHTSAは、過去100年間で構築されてきた人とクルマの関係が、今後10〜20年でこれまで以上の変化を遂げると指摘した。
更に、レベル4の完全自動運転に対して、「それを実現する技術やクルマと人間とのかかわりに関する多くの課題は、今後レベル3の開発と公道試験を通して解決されるものと確信する」とし、それを実現する社会的メリットを含め必要性を強調している。これが3年前の話であり、提言中に示した研究期間を4年としているので、17年にはレベル4の定義が明確に提示されることが期待されている。
このNHTSAとの間でGoogleは、「コンピューターがドライバーとして認められるか否か」について、50以上の項目に対して詳細な議論や具体的な解釈、事実のやりとりを行っている。「クルマが自ら運転する」レベル4の自動運転開発がGoogle内部で具体的に進んでいることを示している。