総額4億円超の隠し資産疑惑も浮上
外交政策の重要課題に位置づけられる南沙諸島領有権問題では、中国との対話を重視する融和路線に舵を切る方針を表明しているが、「ジェットスキーに乗って中国の人工島に国旗を立てる」とするドゥテルテ氏の発言も飛び出しており、一貫していない。
ドゥテルテ新大統領の誕生後はしばらく、お手並み拝見の「ハネムーン期間」が設けられるが、以降も国民を納得させられる成果が目に見えなければ、支持率低下は避けられない。
選挙直前に現職の上院議員によって暴露された、約2億ペソ(約4億6300万円)に上る巨額の隠し資産疑惑も尾を引く可能性がある。この疑惑に端を発した弾劾手続きやクーデター計画の恐れも一部政治家から指摘されており、油断はできない。
フィリピンでは大統領が失脚した場合、副大統領が繰り上げとなる。仮にロブレド氏が大統領に就任すれば、同氏を擁立したアキノ現政権の思う壺だ。過激発言で一躍「時の人」となったドゥテルテ氏だが、一過性の打ち上げ花火で終わるか否かは改革実現に向けた今後の政治手腕に委ねられている。
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