叩いている人たちに、「弱いものいじめをしている」という意識はないのかもしれない。それどころか、「ネットでそこそこ有名な人」を「強者」だと認識し、貶めることが弱者の権利だと思っている人もいるのかもしれない。しかし、大多数で叩き始めた瞬間に、数の論理で強弱は決まる。自戒を込めて言うが、正義を主張しているつもりで、誰でもあっという間にいじめの加害者になる。
最初の話に戻るが、炎上のほとんどは、少し離れた立ち位置から見ると取るに足らないものだ。「絶対に許せない」という気持ちに駆られてネット上で誰かを叩きたくなるとき。エンターキーを押す前に、ネットやSNSをあまり使わないリアルの知人にその炎上について話してみたらどうか。話しているうちに、自分でもバカバカしくなるかもしれない。ならなかったとしても、リアルの知人が言ってくれるかもしれない。「わかったけど、それってそんなに怒るようなこと?」と。
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