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2016年7月14日

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島澤 諭 (しまさわ・まなぶ)

中部圏社会経済研究所研究部長

富山県生まれ。1994年東京大学経済学部卒業 同年4月経済企画庁入庁。調査局内国調査第一課、総合計画局計量班、調査局国際経済第一課等を経て2001年内閣府退官。02年秋田経済法科大学経済学部専任講師、04年10月秋田大学教育文化学部准教授。12年4月より現職。*記事はすべて筆者の個人的見解であって、筆者の所属組織とは無関係です。

投票率が高い世代ほど負担は小さい

 図3は、世代別の生涯純税負担率と第47回衆議院議員総選挙における年代別投票率の関係を見たものである。図3からは、世代別投票率と世代別の生涯純税負担率との間には負の相関関係があることを確認できる。つまり、この図は投票に行かない若者世代が投票によく行く高齢世代から負担を押し付けられている、つまりツケ回しされている構図を雄弁に物語っている。

図3 生涯純税負担率と投票率の関係
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とにかく投票に行こう

 以上から、若者世代は投票に行かないせいで、高齢世代よりも3,000万円多い負担を押し付けられていることが分かった。若者世代はとにかく投票に行くことで、政治家や政党に、自分たちの存在をアピールしなければならない。なぜなら、そもそも選挙とは当選したい政治家や一議席でも多く獲得したい政党が有権者に対してアピールするイベントであると考えることが可能であり、そのイベントに積極的に参加する高齢者を優遇する政策を提示し、参加しない若者を冷遇するのは当然であるからだ。また、高齢者を偏重する政治の存在が指摘されて久しいにも関わらず、それでも敢えて若者世代が投票に行かないのであれば、政治家や政党から高齢者偏重の現状を肯定していると考えられても仕方ない。

 そうは言っても、政治参加の経験がなきに等しい若者世代にとっては、誰に投票していいか分からないということも考えられる。そうした場合には、一番身近な政治参加の先輩である親御さんといろいろ話し合いをし、情報交換することで投票先を決めればいい。それでも決められない場合は、絶対に当選してほしくない候補者、絶対に勝たせたくない政党の対立候補や対立政党に投票する手もある。

 もちろん、消極的な選択では失敗もあるかもしれない。しかし、今回の選挙で失敗したと思ったら次の選挙では失敗しないようにもっと慎重に投票先を決めればいいだけなのだ。何より失敗したらリベンジするためにまた投票所へ足を運ぶことになり、投票所へ行く習慣が身につく。とにかく白票ではなく誰でもいいから投票するという行為、あるいは投票したという事実が重要である。深刻になる一方の世代間格差の存在からも明らかな通り、政治への無関心は自分で自分の首を絞めることにつながる。政治家や政党から無視されず、自分たちの存在を存分にアピールするためにはとにかく投票に行くことが重要なのだ。

  
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