18歳選挙権が導入されてはじめての国政選挙である第24回参議院議員通常選挙は、局所的に見れば11の選挙区で野党の統一候補が当選するなど一定の成果は収めたものの、総じて見れば、自民党が単独過半数に1議席足りないものの56議席を獲得し、公明党も14議席を獲得するなど、選挙前に安倍晋三首相が勝敗ラインに設定した改選過半数である61議席を大きく上回り、与党の勝利に終わった。
低迷した18歳・19歳有権者の投票率
個人的には、選挙の勝敗よりも、投票率に関心があり、前回2013年の参院選挙を下回る投票率になると予想していた。その理由としては、今回の選挙では、特に大きな争点もなく盛り上がってはいなかったし、18歳選挙権の導入といっても、大学進学率が50%を超える現代にあっては半数近くの高校生は受験勉強に忙しいこともあり、投票には行かないだろうと考えたからである。
実際、全体の投票率を見ると、54.70%と前回の参院選を2.09%ポイント上回ったものの、参院選では過去4番目の低さであった。注目された18歳、19歳の投票率は、18歳では男性49.43%、女性53.01%、全体51.17%、19歳では男性37.31%、女性42.11%、全体39.66%、18歳及び19歳の合計では、男性43.43%、女性47.58%、全体45.45%と、それぞれ投票者全体の投票率を下回った。
なお、全体の投票率が上昇した理由としては、野党統一候補と与党候補との事実上の一騎打ちとなった選挙区が存在する県で投票率が高くなったことが確認できる。
有効だった主権者教育
先述の通り、筆者は18歳、19歳の投票率は前回参院選の20代の投票率程度かそれより低い水準に低迷するものと予想していたのだが、18歳の投票率が想像以上に高い結果だったため、率直なところ驚いてしまった。もっとも、驚いてばかりもいられないので、18歳の投票率と19歳の投票率の差はどうして生じたのか、理由を考えてみよう。