田部康喜のTV読本

2016年7月16日

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田部康喜 (たべ・こうき)

コラムニスト

福島県会津若松市生まれ。幼少時代から大学卒業まで、仙台市で暮らす。朝日新聞記者、朝日ジャーナル編集部員、論説委員などを経て、ソフトバンク広報室長に就任。社内ベンチャーで電子配信会社を設立、取締役会長。2012年春に独立、シンクタンク代表。2015年10月から東日本国際大学客員教授として地域振興政策を研究、同大・地域振興戦略研究所副所長を兼務。

時代の空気吸い生まれ変わってきた「時かけ」

 「時かけ」の作品群は、その時その時の時代の空気を吸って、新しく生まれ変わってきたといえるだろう。原田知世主演の映画の時代は、携帯電話もメールもなかった。仲里依紗が主役の声を務めたアニメ版では、携帯とメールが登場する。その携帯がいまはない「ボーダフォン」である。

 今回のドラマがどのようなコミュニケーション・ツールを映像に生かすのか、楽しみな点である。

 第1回では、ネット動画であった。原作のなかで、主人公のタイム・リープの不思議さを描く大きな事件となる、ボヤ騒ぎを題材にしている。

 吾朗の家の近くの変電所でボヤが深夜に起きて、停電が起きる。未羽は吾朗が心配でかけつける。翔平も水玉模様の派手なパジャマ姿でやってくる。

 未羽はタイム・リープによって、前日に戻り、スマートフォンの動画機能を使って翌日に起きるボヤを予言する映像を取り、ネットにアップする。予言が当たり、ネット上で話題になるばかりではなく、海外のニュース放送にも流される事態となる。

 そればかりではなく、未羽は警察から放火の容疑をかけられて取り調べを受ける。そして、またタイム・リープで逃れる。

 「時かけ」の作品群の楽しみは、ラストシーンで主人公の少女と未来から来た少年は、どうなっていくのか、という点である。

 原田知世主演の映画は、薬学部の大学生になった少女がやはり大人になって未来から再びやってきた少年とすれ違うシーンが心に残る。別れのときに少女の彼に関する記憶は消し去られた。アニメ版では少女の記憶から消し去られない。

 今回の第1回の冒頭で、ふたりの別れがあることは告げられた。さて、その先にはなにがあるのか。

  
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