2024年11月22日(金)

田部康喜のTV読本

2016年7月16日

 今回の「時かけ」では、未来からやってきたケン・ソゴル(菊池風磨)が、未羽(黒島)の高校の同級生・深町翔平となって、いまの時代に潜り込む。夫を失った一人暮らしの深町奈緒子(高畑淳子)の息子となる。かかわった人物の記憶に自分を埋め込むことができるのである。

アニメ版へのオマージュも

 ケンはゾーイ(吉本実憂)とともに現代の植物採取にきた研究者であった。ところが、未来に帰るための薬をなくしてしまう。

 自転車に乗った未羽が、坂道を滑走してくるシーンで、未羽がゾーイにつき当たりそうになって彼がしりもちをついたはずみに、小さな薬の瓶が転げ落ちる。

 アニメ版の「時かけ」では、主人公が坂道を急スピードでかけおりて、ブレーキが効かずに電車の遮断機を飛び越えて事故に遭うことが、タイム・リープのきっけになる。今回のドラマは、アニメ版へのオマージュ(敬意)が込められている。

未羽がタイム・リープの才能に目覚めるのは、マンションの上層階のテラスから鉢植えが落ちて「死ぬ」と思った瞬間だった。一瞬にして、数分前に戻る。

 ケンのいまの顔である翔平(菊池)は、未羽の幼友達である浅倉吾朗(竹内涼真)と3人で帰宅仲間であり、友人である。

 吾朗は、ほのかに未羽に思いを寄せている。夏祭りをきっかけに告白しようと思う。いつもは3人なのだが、翔平に用があるという口実を作って、吾朗は未羽と待ち合わせる。

 吾朗が告白しようとすると、未羽はタイム・リープを繰り返して、翔平を加えた3人で祭りに行く状況を作って、吾朗の告白を避けようとする。

 そして、事件は起きる。祭りの舞台の竿灯のように飾られた、提灯の竹竿が倒れて翔平の上にのしかかる。未羽はタイム・リープによって、翔平を助ける。


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