アナリストは渡辺さん以外にも複数いるが、監督と二人三脚でデータをもとに作戦を練るのは渡辺さんだ。
選手の位置は番号で置き換えられ、さらにアタック、スパイクなどもボールがどこを狙われたか、コートを9つにゾーンに分けて数値化される。さらにそのプレーごとに成否が6段階で評価される。例えば、レシーブの場合「クイック攻撃につながる(安定感のある)成功レシーブ」「失敗だが、指に触れた」などと評価され、それもアルファベットなどの文字列に置き換えられる。
図2 バレーの選手の位置を表す番号とローテーションの順番。①がサーブをする位置。
「1S16A.7#KBa14PB6A.8D E8B 15P・・」
図3 データ分析で使うゾーン番号。コートを9分割して位置を表す。
入力するアナリストは1ポイントごとにボールの動きを追い続ける。サーブし、ゾーン1の選手がレセプション(レシーブ)し、そのボールはゾーン6で、継がれるというイメージだ。ラリーが続けば続くほど、この文字列は長くなる。入力のアナリストは一時も目が離せない。
この文字列をコンピューターが解読し、コート脇のベンチ席のパソコン4台、真鍋監督、渡辺さんのアイパッドに届く仕組みだ。敵味方すべての選手の成功率だけでなく、失敗率も瞬時にパーセント表示される。
選手個々だけでなく、
フォーメーションとして成功率も重視
実際、このデータをもとに戦術は目まぐるしく変わる。例えば、サーブでは①特定の選手を狙う②特定のエリアを狙う戦術がとられる。