①のどういう選手が狙われるかと言えば、
1) レセプション(レシーブ)返球率が悪い選手
2) 攻撃に参加する選手
(体制を崩させるなどしてアタックさせないようにする)
3) 何かしらのプレーでミスをした直後の選手(いわゆる心理作戦)
4) メンバーチェンジで投入された直後の選手(これも心理作戦)
5) レセプション後のチームのアタック効果率が低い選手
と言った具合だ。
ここで興味深いのは5)のチームのアタック効果率が低い選手だ。一読しただけでは、わからないので簡単に説明しよう。
バレーはサーブ権が移動するごとに選手は図2のようにローテーションをしなくてはならない。アタッカー(ウイングスパイカー)の木村沙織、長岡望悠選手らも前衛から後衛にまわらなくてはならない。よって選手の位置は、少なくとも6通り(入れ替えがない場合。選手の出し入れがあるので、実際はもっと多い)のフォーメーション(配置)がある。この6通りのフォーメーションのうち、アタックが決まりやすいものと、少ないものがでてくる。特にある選手がレセプションをした場合、アタックが決まりにくいケースがでてくる。この弱点をデータに基づき、突いていこうという作戦だ。
特定のゾーンを狙う場合も見てみよう。
1) レセプション返球率の悪いエリア
2) レセプション後のチームのアタック効果率が低いエリア
3) 特定エリアのレセプション後にセッターの配球癖が強いエリア
4) ライン際(エンドライン、サイドライン)、コーナー
5) セッターの出どころ
6) アタッカーの助走コース
ここでも興味深いのは3)5)6)であろう。
3)を説明すると、セッターはレシーブされたボールをトスし、アタッカーにつなげる極めて重要な役割を担うが、相手にどこに配球(トスを上げる)するのか読まれないようにしなくてはならない。しかし、ある特定のゾーンから来たボールは、右あるいは左にトスを上げるなど偏りが生まれる。この癖をつかみ、あらかじめブロックを3枚にすれば、相手の得点を阻止する可能性は高くなるというわけだ。
5)6)はセッターやアタッカーを自由に動かせないようにする作戦だ。