喜多ばあちゃんに続け!だけど・・・
まもなくして隣の小高坂村でも同様の条項が実現します。当時の世界でも、女性参政権を認めていたのはアメリカのワイオミング州議会だけで、上町・小高坂村の動きは世界で2番目に女性参政権が実現したのでした。
しかし4年後の1884(明治17)年に、日本政府はそれまで各区町村が独自に規則を設けてよいとする区町村会法を改悪し、規則制定権を区町村会から取り上げ、女性を町村会議員選挙から再び排除しました。それから61年の時を経て、1945年ようやく女性参政権を認める規則が制定され今日に至っています。
女性の参政権獲得がこれだけの年数と意のある先人の労力を要したのですから、今回の18歳からの選挙権付与は、とても意義あることと思います。ところで喜多ばあちゃんのその後の人生は、自由民権運動に身を投じ演説会などで弁ずる女性民権家として活躍し、1920(大正9)年に天寿をまっとうしました。
高知市立自由民権記念館に展示の「婦人参政権の実現」の説明板(撮影:筆者)
北欧の教育政策を見て感じる、日本の政治貧困
私が18歳からの選挙権に関心を持つのは、日本は教育費、とりわけ義務教育費にお金をかけないからでもあります。OECD(経済協力開発機構)加盟国中でGDPに占める教育予算が下位の国がニッポンなんです。
でもそのことは、政治家だけを責めることはできないと思うんです。いっぱんに親は、自分の子どもが成長すると学校や教育に関心がなくなり、選挙の争点になりにくい=議員候補者の票になりにくい国がニッポンと思うからです。つまり、関心がない大人=有権者が多いことから教育予算がいっこうに増えない国なんですよね。