2024年11月22日(金)

チャイナ・ウォッチャーの視点

2010年1月27日

 そして前述のイギリス人死刑執行の一件と合わせて考えてみると、中国政府はどうやら、鄧小平時代以来確立していた「対欧米協調外交」から「喧嘩腰」の強硬外交に転じようとしているのではないか、と思いたくなるのである。

 今までの柔軟姿勢から一転して、イギリスとアメリカの両方を相手に殴り合いの喧嘩をいっせいに開始するとは、あたかも「中華VSアングロサクソン冷戦時代」の幕開けを予感させるような動向であろう。

 中国政府における外交方針転換の原因は一体何であろうか。それは、北京の今後の動きを注意深く見守りながらさまざまな面から探究していくべき重要テーマの一つだが、とにかく、我々日本人は、このような方針転換がすでに行われたこと自体、まず注目しておくべきであろう。

 

※次回の更新は、2月3日(水)を予定しております。

◆本連載について
めまぐるしい変貌を遂げる中国。日々さまざまなニュースが飛び込んできますが、そのニュースをどう捉え、どう見ておくべきかを、新進気鋭のジャーナリスト や研究者がリアルタイムで提示します。政治・経済・軍事・社会問題・文化などあらゆる視点から、リレー形式で展開する中国時評です。
◆執筆者
富坂聰氏、石平氏、有本香氏(以上3名はジャーナリスト)
城山英巳氏(時事通信社外信部記者)、平野聡氏(東京大学准教授)
◆更新 : 毎週水曜

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